教師やりながらコンビニで働き続けた理由

今日は1時間の価値について考えてみました。

この話をするとよく驚かれるのですが、私は教育現場に立ちながら、去年までの10年間コンビニ店員をしていました(笑)

さすがに体力の限界を感じて去年辞めてしまったのですが、2009年から2019年まで(最後の1、2年は週1、2回の低頻度でしたが)コンビニの夜勤をメインに朝勤昼勤をやっていました。

土曜日塾に出勤前朝勤、塾で授業の後夜勤そのまま学校に出勤。という感じで、仕事の合間を縫って働いていました。退職して振り返ると、割とハードだったなぁと…。

でも、お金を稼ぐために働いていたわけではありません。

ではなぜ私がコンビニで働き続けたかを紹介しようとおもいます。

1つ目の理由は、1時間の価値を知るため、です。

コンビニは最低賃金(勿論店舗によります)のところが多いです。

私が新卒で社会にでた頃、コンビニの時給埼玉県の最低賃金の785でした。

しかし、学校(私立)から提示された契約時給は6000からのスタート(6000円が最低時給)でした(※学校によって差があります)。

当時、お金に無頓着で、とにかく「卒業後は教育現場に携わりたい」という一心だったので、採用後に契約書をみてとても驚いたことを覚えています。

でもよくよく考えてみると、コンビニで約8時間分の給料が1時間でもらえる計算になることに気がつきました。

そこで私は疑問と不安を抱きました。

新任で全く経験がないのに、こんなにもらっていいのだろうか…と。

私は汗水流して8時間働く大変さを身をもって感じ続けないと、8時間分の価値をその1時間に込められるような授業ができないと思いました。

それが自分に与えられた価値なのだと。

質の高い授業を提供しなくてはいけないという意識を持ち続けるために、お金をいただいて授業を提供する責任感を感じる必要がありました。だから1時間の授業のために教材研究に8時間をかけるという意識を自分の中で持つようにしてました。実際にはさすがに8時間とはいえませんが、今でも最低でも授業時間の2倍は教材研究(予習)にあてるようにしています。

余談ですが、よく「専任にならないの?」と聞かれるのですが、私はとにかく授業スキルを高めたい教材研究をする時間をきちんと確保したいので、専任ではなく講師にこだわってきました。

(※もちろん専任の先生で教務、分掌と両立し、尚且つ授業の質も高い方はたくさんいらっしゃいますが、私はそんなに器用ではないので、という意味です。本当に尊敬します…!

自分に課された1時間の価値を自分の中で確立するため、これが理由の一つです。

 

2つ目の理由は、肩書きを無くした状態で自分が謙る環境をつくるためです。

塾でも学校でも「先生」と呼ばれれ、生徒の上に立ち続けていると、どんどん傲慢になるうえ、視野が狭まる気がしました。年数が経つほど柔軟性に欠ける(懐古主義で新しいことを取り入れようとしない)教員が増えているように感じ、快く思えない場面が少なくなかったからです。

だから私は教育者こそ、普通の社会に触れる機会(教育現場から離れる機会)を作る必要性を感じていました。

「先生」という立場を捨て、「コンビニ店員」として社会的肩書きが0の状態を作る場面が私には必要でした。

これが2つ目の理由です。

偉そうにつらつらと書いてきましたが、最低賃金とはいえ、コンビニは現代社会の縮図であり、老若男女問わず関われる環境は私にとって大変社会勉強になっていました。

時給関係なく、接客自体も楽しんでやっていました。体力面以外では全く苦痛ではなく、いろんな事情を抱えて働いているスタッフや、顔を覚えてくれた常連さんドライバーさんとの関わり合いは本当に有意義な時間でした。ときに、理不尽なクレームを受けることもありましたが、それはそれで良い思い出です(笑)

根本として、人との関わり合いが好きだから10年間も続いたのだと思います。もっとも、こんな私を雇い続けてくださったオーナーの器の大きさがあったことが大きいのですが。

 

少し脱線したので1時間の価値の話に戻します…(笑)

ことの庭では1時間で決して安くないお月謝をいただいています。

その価値を授業を提供する私自身が身をもって感じ続け、責任をもって授業を提供して参りたいと思っています。

まだまだ柔軟さも人間性も未熟なところは多々ありますが、こんな私を受け入れてくださり、ことの庭を軌道に乗せることができたのも皆さんのおかげです。

今日は中島の過去のお話から1時間の価値について考えてみました。

これからも視野を広げながら、初心を忘れず、向上心を持ち続け、取り組んで参ります。

今後ともことの庭をよろしくお願いします。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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